近視(きんし)
遠くが見えづらくなる目の状態。現代では子どもから大人まで急増しています。
近視とは?
近視とは、遠くのものがぼやけて見える視力の状態です。これは、目に入った光が網膜よりも手前でピントを結ぶために起こります。逆に、近くのものは比較的はっきりと見えるのが特徴です。
近視の増加傾向
近年、世界的に近視人口は増加しています。
特に日本では、小学生の約3人に1人、中学生では約半数、高校生では7割以上が近視であるという調査結果が出ています(文部科学省学校保健統計より)。
さらに、2050年までに世界人口の約半数(約50億人)が近視になるとの予測もあり、深刻な公衆衛生課題とされています(米国眼科学会、Brien Holden Vision Institute)。
近視の原因
近視の主な原因は以下の通りです:
- 環境的要因:長時間の近距離作業(読書、スマートフォンの使用など)や屋外活動の不足が影響します。
- 遺伝的要因:親が近視の場合、子どもも近視になりやすい傾向があります。
特に現代では、屋外活動が減り、室内で過ごす時間が増えていることが、近視の進行を加速させていると指摘されています。
近視の分類
近視はその程度によって以下のように分類されます:
- 軽度近視: -3.00D以下
- 中等度近視: -3.00Dを超えて-6.00D以下
- 強度近視: -6.00Dを超える
強度近視になると、網膜剥離や緑内障などの目の病気のリスクが上がるとされています。
近視の進行を抑える方法
近視の進行を抑えるためには、以下の方法が有効とされています:
- 屋外活動を1日2時間以上:自然光が目の成長を抑える働きがあります。
- 目の休憩をこまめにとる:近くのものを見る作業を続けるときは、こまめに遠くを見る休憩ハーフタイムをとることで目の負担をやわらげます。
- 視力トレーニング:焦点を意識的に変える運動や専用機器などによるトレーニングが一部で効果を上げています。
- 近視進行抑制メガネや点眼薬(低濃度アトロピン):医師の指導のもとで使用され、一定のエビデンスが確認されています。
海外の研究でも、子どもの近視進行は生活習慣によってコントロール可能であるという報告が増えています。
まとめ
近視は一般的な視力の低下と思われがちですが、強度近視になると生活の質に大きな影響が出る可能性があります。
特に成長期のお子様には、屋外活動や視線の「ハーフタイム」習慣を意識し、予防と早期対応が重要です。
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