屈折異常(くっせついじょう)
屈折異常とは、目に入ってきた光が網膜の正しい位置に焦点を結ばず、ピントが合わない状態を指します。視力低下の主な原因のひとつです。
仕組みと基本的な種類
人の目は、角膜と水晶体を通して光を屈折させ、網膜上に像を結ぶことで物を見ています。この光の屈折が適切に行われず、網膜の前や後ろに焦点がずれる状態が「屈折異常」です。代表的な屈折異常には以下のような種類があります:
- 近視:遠くがぼやけて見える。光が網膜の手前で焦点を結ぶ。
- 遠視:近くも遠くも見えにくい。光が網膜の後ろで焦点を結ぶ。
- 乱視:光が一点に集まらず、ぼやけて見える。
- 老視:加齢により水晶体の調節力が低下し、近くが見えづらくなる。
原因と注意点
屈折異常の多くは、眼軸の長さや角膜・水晶体の屈折力などのバランスが崩れることで発生します。とくに近視では、眼軸が伸びる「軸性近視」に進行する前段階として、毛様体筋の緊張によって遠くが一時的に見えにくくなる「調節緊張」や「仮性近視」といった状態が見られることがあります。
この段階では、スマートフォンやパソコンの長時間使用を避け、画面との距離を保つ、目の休憩を意識する、屋外で遠くを見るといった生活習慣の見直しにより、進行を抑える可能性があると報告されています。
一方で、すでに眼軸が伸びてしまった「軸性近視」では、現代の医療では眼軸長を元に戻すことはできません。そのため、仮性近視や調節緊張の段階での早期発見と対応が極めて重要です。
特に近年はデジタル機器の使用時間が増加しており、こうした要因が近視進行のリスクを高めているとされています。日常生活の中で、こまめに目を休める習慣や、屋外での活動を意識的に取り入れることが推奨されています。
検査と矯正方法
視力検査や屈折検査によって正確な度数を測定することで、適切なメガネやコンタクトレンズ、場合によっては屈折矯正手術で対応します。
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