屋外活動時間
屋外活動時間とは、日中に外で過ごした合計の時間を指す言葉です。散歩や外遊び、屋外でのスポーツなど、太陽光が届く環境での活動が含まれます。
近年は、子どもの近視の発症リスクに関わる生活習慣の一つとして注目されており、「1日どのくらい外で過ごしているか」を問診やアンケートで確認する指標としても使われています。特に小児期には、屋外活動時間を意識的に確保することが近視予防の柱の一つとされています。
屋外活動時間とは
ここでいう屋外活動時間は、「勉強やゲームをしていない時間」ではなく、「屋外の明るい環境で過ごした時間」を意味します。通学・通園の徒歩や自転車、休み時間の外遊び、放課後や休日の公園遊び、屋外でのスポーツなどが代表的です。単に運動量だけでなく「屋外の光環境」にいることが重要と考えられています。
近視との関係
国内外の研究から、屋外活動時間が長い子どもほど、近視になりにくい傾向があることが示されています。特に、屋外活動が少ない(1日1時間未満など)場合と比べて、1日2時間前後まで増やすと、近視の発症リスクが大きく下がるという報告が多数あります。
屋外活動が近視に良い理由としては、屋内より明るい環境に目がさらされることで、網膜から分泌されるドーパミンという物質が増え、眼球の伸びすぎ(眼軸長の過剰な延長)を抑える可能性が指摘されています。必ずしも直射日光にあたる必要はなく、木陰や建物の陰などでも室内より十分に明るいため、意味があると考えられています。
一方で、屋外活動時間は「近視を完全に防ぐ魔法の方法」ではありません。遺伝的な素因や、長時間の近業(本・タブレット・スマホを近くで長く見ること)など、他の要因も組み合わさって近視が進行すると考えられています。屋外活動時間が少ないことも、そうした環境要因の一つと位置づけられています。
日常のコツ・対策
● 子どもの近視予防の目安として
幼児〜小学生では、「1日トータルで2時間くらい外で過ごせると理想的」とよく言われます。必ずしも一度に2時間続ける必要はなく、通学・休み時間・放課後・休日の外遊びなど、短い時間の積み重ねでも構いません。
例えば、朝の登下校で30分、学校の休み時間や体育で30〜60分、放課後や休日に公園や外遊びで30〜60分というイメージです。屋外であれば、建物の陰や木陰でも、屋内より十分に明るいことが多いとされています。
ただし、紫外線や暑さ・寒さへの配慮も欠かせません。帽子・日焼け止め・水分補給・季節に合った服装などで、全身の健康とバランスを取りながら屋外時間を確保することが大切です。
● スマホ・タブレット時間とのバランス
近年の調査では、1日のスクリーン時間(スマホ・ゲーム・タブレットなど)が長くなるほど、近視のリスクや近視が強くなるリスクが高まるという報告も増えています。特に、1日4時間を超えて画面を見る子どもは、そうでない子どもに比べて近視のリスクがかなり高くなる可能性が示されています。
「画面を見る時間をゼロにする」のは現実的ではありませんが、
・近くをじっと見続ける時間を区切る(なるべくこまめに目の休憩)
・ゲームや動画の時間が長くなった日は、そのぶん外で過ごす時間を意識して足す
といった調整が、屋外活動時間を確保するうえでも役立ちます。
● すでに近視の場合
すでに近視がある子どもでも、屋外活動時間を増やすことは、生活全体のバランスを整える意味で推奨されます。ただし、「外遊びさえ増やせば近視が治る」「メガネが不要になる」とまでは言えません。近視の度数や眼軸長の変化は、定期的な眼科受診でチェックし、必要に応じてメガネ・コンタクトレンズ・近視進行抑制治療などと組み合わせて考えることが大切です。
現在の子供の環境は、タブレット学習など近業が避けられない状況です。目の調節力を維持し、鍛える対策にも併せて取り組むことも推奨されます。
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