眼底(がんてい)
眼底とは、瞳孔を通して観察できる眼球の後部領域で、網膜や黄斑、視神経乳頭、網膜血管などが含まれます。眼底検査では、これらの構造の様子を詳細に調べることができ、視力の低下や全身の血管異常、緑内障などの病気を早期に発見する手がかりになります。
眼底で見える主な部位
- 黄斑(おうはん)・中心窩:細かな文字や色の見え方を担う中心部。
- 視神経乳頭:網膜から集まった神経線維が脳へ向かう出口。形や色、くぼみ(陥凹)の変化が評価されます。
- 網膜血管(動脈・静脈):太さ・走行・交叉部の変化は、網膜の病気だけでなく全身状態の目安にもなります。
- 網膜・脈絡膜:光を感じる層(網膜)と、その外側で栄養を支える層(脈絡膜)。出血や萎縮、穴(裂孔)などを確認します。
眼底検査の方法
眼底検査にはいくつかの方法があります。医師が光とレンズで直接観察する眼底鏡検査、記録や比較に適した眼底写真(無散瞳・散瞳・超広角)、網膜や視神経の層を非接触で詳しく見られるOCT、血管の漏れや詰まりを評価する蛍光眼底造影、そして造影剤を使わず血管像を描出できるOCTアンギオグラフィ(OCTA)など、目的に応じて選択されます。
眼底で分かる主な病変・所見
- 糖尿病網膜症・高血圧性変化:出血、白斑、血管の狭細や蛇行など。
- 加齢黄斑変性・黄斑浮腫:ゆがみや中心の見えにくさの原因となる黄斑部の異常。
- 緑内障所見:視神経乳頭のくぼみ拡大、神経線維層の欠損など。
- 網膜裂孔・網膜剥離の前兆:周辺部の裂け目、牽引、格子状変性など。
- 強度近視に伴う変化:網脈絡膜萎縮、ラッカー斑、後部ぶどう腫などの近視性変化。
- 視神経乳頭浮腫:乳頭の腫れ。全身や神経学的な要因が背景にあることがあります。
検査の流れと注意
- 散瞳の有無:必要に応じて散瞳薬で瞳を広げて詳しく観察します。数時間ほどまぶしさや近くの見えにくさが出るため、車の運転は控えます。
- 所要時間:眼底写真・OCTは数分程度、散瞳を行う場合は薬の効果待ちを含めて時間に余裕を。
まとめ
眼底は「見え方の要」を直接観察できる大切な部位です。眼底検査やOCTによる記録・経過観察は、病気の早期発見と重症化予防に役立ちます。生活習慣病や強度近視の方、見え方に気になる変化がある方は、定期的なチェックが有用です。
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