黄斑(おうはん)
黄斑とは、網膜の中心にある、ものを見るときに最も重要な領域です。本やスマホの文字を読む、顔を見分ける、色を識別するといった“はっきり見る力”を支えています。
仕組みと役割
黄斑は眼球の奥にある網膜の中でも、特に中央に位置する直径約5mmの小さな部分です。この中心部分には「中心窩(ちゅうしんか)」というくぼみがあり、ここに細かい情報をとらえる視細胞(錐体細胞)が高密度に集まっています。色や形を見分ける力に優れ、視界の中で最も鮮明に見えるのはこの黄斑による働きです。
・細かい文字や形までハッキリ見える、視力の中心となる場所
・色の判別能力が高く、光に対する反応も精密
なぜ“黄斑”と呼ばれるのか
黄斑には「ルテイン」「ゼアキサンチン」という黄色い色素が多く含まれており、これが“黄色い斑”=黄斑と呼ばれる理由です。これらの色素は有害な光(特にブルーライト)から網膜を守る働きもあり、加齢黄斑変性の予防因子として注目されています。
黄斑に起きる主な病気
- 加齢黄斑変性(AMD):視界の中心がゆがむ・暗くなる
- 黄斑浮腫:糖尿病や血管障害によりむくみが生じる
- 黄斑円孔:中心に穴が開き、見えない部分ができる
- 中心性漿液性網脈絡膜症:視力低下やゆがみが一時的に起こる
検査と視能訓練士の役割
黄斑の病変は視力低下の原因となるため、視能訓練士による視力検査や視野検査を通じて早期発見が重要です。「見えるけれど読めない」「真ん中だけぼやける」といった訴えは黄斑異常のサインであることが多く、眼底写真やOCT(光干渉断層計)での評価が行われます。
黄斑を守るためにできること
- 紫外線やブルーライトから目を守る(遮光眼鏡など)
- ルテインやゼアキサンチンを含む食品を意識して摂る
- 禁煙を心がける(加齢黄斑変性のリスク因子)
- 糖尿病や高血圧の管理をしっかり行う
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