調節けいれん(調節痙攣)
近くを見るためのピント合わせの筋肉(毛様体筋)が過剰に働き、緊張が抜けにくくなる状態です。遠くがぼやける、見え方がその日によって変わる、目の疲れや頭痛が出やすい――といった訴えにつながります。筋肉の緊張が原因で、一時的に「近視のように」遠くがぼやける(=仮性近視)として現れることがあります。子どもに多い一方で、パソコンやスマートフォンの使い過ぎで大人にも起こります。なお、似た用語に調節麻痺(ちょうせつまひ)がありますが、けいれん=過剰に収縮してゆるまない、麻痺=収縮できないと違いがあります。
どんな状態か
長時間の近く作業で近用のピントが入りっぱなしになり、遠くへ切り替えにくくなるのが特徴です。多くは一時的ですが、繰り返す・長引くと学業や仕事に支障が出ることがあります。
身近な「きっかけ」
- 長時間の近く作業:パソコン・スマホ・タブレット・読書・勉強・ゲームを休憩なしで続ける。
- 度数の合っていないメガネ/コンタクト:とくに過矯正(強すぎる度数)は近く作業の負担を増やします。
- 近づけ過ぎ・小さ過ぎ・暗過ぎ:顔を20〜30cm未満に近づける/小さな文字を凝視する/暗い環境での作業。
よくあるサイン
- 遠くがぼやけやすい、近くは見えるが切り替えに時間がかかる
- 視力やピントの合い方が時間帯や日によって揺れる
- 目の疲れ、眉間・こめかみの頭痛、肩こり
- ときどき二重に見える感じ(続くときは相談を)
日常のコツ
- 休憩を入れる:ハーフタイム(5~20分ごとにピントがぎりぎり合う遠くを5~20秒見る)で目を休める。
- 距離と文字サイズ:目から30〜40cm以上を目安に、文字は少し大きめに設定。
- 明るさ:十分な照明で反射やまぶしさを減らし、夜は画面の明るさを下げる。
- 度数の見直し:見えづらさや疲れが続くときは、度数やフィッティングの確認を。
相談のめやす
工夫を続けても遠くのぼやけや頭痛が続く、見え方の変動で学業・仕事に支障がある――と感じたら、目の専門家に相談を。見え方の変化には他の原因が隠れることもあるため、総合的な判断が大切です。
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