弱視（じゃくし）とは？

弱視とは、目や脳に明らかな病気がないにもかかわらず、視力の発達がうまくいかず、眼鏡などで矯正しても視力が1.0に届かない状態を指します。視力の発達に重要な乳幼児期から学童期（生後～8歳ごろ）に発見・治療されることが多く、英語では「amblyopia」と呼ばれます。

弱視の原因

主な原因には以下の4つがあります。

• 形態覚遮断弱視（遮光性）
  先天性白内障やまぶたが下がる眼瞼下垂などにより、網膜に光刺激が届かず視力が育たないタイプ。
• 斜視弱視
  片目が斜視のため脳がその目からの情報を無視し、視力の発達が阻害されるタイプ。
• 屈折異常弱視
  強い遠視や乱視が原因でピントが合わず、視覚の発達が妨げられるタイプ。
• 不同視弱視
  左右の視力差が大きいことで、片方の目だけ視力が発達しないタイプ。

弱視の特徴・症状

• 矯正しても視力が0.04～0.3程度しか出ないことが多く、片目だけ視力が低いケースもあります。
• 子ども自身が見えにくさに気づきにくく、3歳児健診や就学時健診で見つかることが多いです。
• 片目をまぶしがる、顔を傾けて見る、距離を極端に近づけて見るなどの行動が見られる場合もあります。

治療と管理

眼鏡・コンタクトによる矯正

屈折異常がある場合は、まず適切な度数の眼鏡を装用し、クリアな映像を網膜に届けることが基本となります。

遮蔽療法（アイパッチ）

視力の良い目をアイパッチなどで覆い、弱視の目を積極的に使わせることで視力を育てていく治療法です。

点眼薬による代替遮蔽

アイパッチの代わりに、良い方の目にアトロピン点眼薬を使って視界をぼかし、自然と弱視の目を使わせる方法です。

手術や追加療法

斜視や先天性白内障などの原因がある場合は、外科的手術による矯正後、視力訓練を行うことがあります。

早期発見・治療の重要性

視力の発達はおおむね8歳ごろまでが重要とされており、この期間を逃すと視力の回復が難しくなります。定期的な視力検査や健診を通じて早期に弱視を発見し、できるだけ早く治療を開始することが視力の回復に大きく影響します。