第22回眼 止まらない!近視の低年齢化
執筆者眼育総研事務局
🖍 公開日:
2025.04.25
↺ 更新日:
2025.04.26
執筆者眼育総研事務局
2001年より子供の視力回復トレーニング教材の企画・販売や教室を運営現在はTVやYouTubeを見ながらトレーニングができるホームワックの製造・販売を行う

「メガネが必要です!」の不安

ある日、

「お母さん、最近ぼく、黒板の字が見えづらいんだよね…」

えっ?

またある日、

「はいこれ、学校から」

「なになに、検眼結果のお知らせ…
 視力判定C、この用紙を持って眼科を受診して下さい…」

ええっ?!

そろそろ、メガネが必要??
でも、小学生からメガネなんて…早すぎじゃない???
うちの子は特別なの…??????

今日は、小学生の近視の実態についてお伝えしていきます。

学校検眼の結果がA~Dで評価され、毎年、学校検眼のシーズンになる4月以降は、たくさんのご相談・お問い合わせをいただきます。

去年もらった判定に比べ、今年は…?
どんな判定が出ていたとしても、それがいちばん気になるところですね。

去年A判定をもらっていたとしたら、

「今年もA判定がもらえるかしら…?」

去年がB判定以下なら、

「もっと悪くなっていませんように…」

そして、さらに気になるのが「そろそろメガネが必要です」なんて、言われるのではないか…

この時期、そんな心配をされているご両親は、決して少ない数ではありません。

「小学生の近視」の実態は?

小学生のお子さんをお持ちの方は、低学年でもメガネをかけている子どもが増えてきている事実を、ご存じのことと思います。

実際、近視が始まっている子供の人数を、学年別に見てみますと…

全国学年別・近視者数(平成18年度)
1年生 18%
2年生 20%
3年生 24%
4年生 29%
5年生 34%
6年生 38%

この数字は、文部科学省が毎年実施する「学校保健統計調査」のデータからとったものです。

全国5~17歳までの児童・生徒の裸眼視力が

1.0未満0.7以上(B判定)
0.7未満0.3以上(C判定)
0.3未満 (D判定)

の3段階に分けられ、それぞれに占める人数の割合が調査・発表されています。

この人数の割合を合計して算出したものが、上記「全国学年別・近視者数」です。

これを、仮に1クラス30人学級として、あてはめてみます。

1年生  5人
2年生  6人
3年生  7人
4年生  9人
5年生 10人
6年生 11人

1クラス30人中、これだけの数の子どもに、近視が進行中なのです!

昔はどうだった??

ここに1つ、貴重なデータがあります。
昭和39年度に、文部省(現在の文科省)が「教育白書」の中で発表している、『児童生徒の近視率の推移』。
近視の児童・生徒の人数比率を、昭和24~38年まで2年おきに調査したものです。

それと、最新年度(平成18年度)の「学校保健統計調査」データを比較してみましょう。

近視の児童・生徒比率の推移

  【昭和24年】【昭和38年】【平成18年度】【対昭和24年の増加】

小学生  6%  →  12%  →  28%  →  4.7倍
中学生  9%  →  21%  →  50%  →   5.6倍
高校生 12%  →  34%  →  59%  →  4.9倍

わずか60年足らずの間に、近視の割合が約5倍に増加しています。
この数字の変化には驚かされます。

しかし、昭和24年や38年に子ども時代を過ごされた方は、感覚的に、近視の割合はその程度だったと、納得される方も多いのではないでしょうか?

近視は「すべて」遺伝のウソ!

これらのデータから、近視は「すべて」遺伝 という説がウソ!であることが、はっきりいえると思います。

とはいうものの、もし近視のすべてが遺伝であるならば、近視の割合は、昔から同じでないとつじつまが合いません。

小学生において、60年間で約5倍にも近視が増加している事実をみると、「環境の変化から発生している近視がいかに多いか」を物語っていると言えるでしょう。

この近視と遺伝の話は、また号を改めまして、詳しく取り上げたい思います。

視力の「現実的な基準」とは?

さて小学生の実態がわかったところで、現在の中学生・高校生を見てみましょう。
「裸眼視力1.0未満の者」の割合は中学生では約50%、高校生では約60%となります。

つまり、高校生においては、視力1.0以上は既に40%しかおらず、少数派です。

ここから言えることは…昔と今とでは、「視力の基準は変えて考えなければいけない」ということ。

たとえば、近視の高校生が12%しかいなかった昭和24年には当たり前だった、【視力1.0以上】という数値は、現在では、「現実的な基準ではなくなってきている」と考えなければなりません。

まとめ

  • 「近視の低年齢化」はとまらない!
  • 「近視はすべて遺伝」なんてことはあり得ない!
  • 「視力1.0以上が正常」という感覚は、既に昔のものとして捉えなければならない

次回は、「視力1.0が現実的なものでなくなった」現在、「視力はいくつあれば良いか?」という問いに対する、答えをご提示したいと思います。

次号は、【視力偏差値】という新しい概念が登場します!
お楽しみに!!

「既に学校検眼でC判定が…」

「メガネをすすめられてしまった…」

「うちの子の視力はどこまで向上するの?」

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「最近、子どもがよく目を細めるように。まだ小学生で近視なんて、と思っていたけれど、こんなに近視の子どもが増えているとは…」

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近視が深刻なレベルにまで進行してしまう前に行動できるかどうかが、鍵を握っています。

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