
ピンホールメガネって効果はあるの?

震災でメガネやコンタクトを失い、避難する際にとても困ったという声を聞きました。
お子様の近視が気になるご両親には、将来的に気になるところですよね。
防災グッズで対処すればいいんでしょうか?
それとも…
今回は、災害時の心得にも関連する大切なお話を、眼育(めいく)博士がしてくれます。
どうぞ、お見逃しなく!
■登場人物■
【眼育(めいく)博士】
眼育トレーニングの創始者で目の健康のエキスパート
【ミドリママ】
30代のワーキングマザー
息子のケンタの視力を、何とか回復させたいと思っている
【ケンタ】
9歳。学校の健康診断で視力が落ちていたことが発覚
ケンタの視力低下がきっかけで、視力のスペシャリスト、眼育博士に相談することになったミドリママ。
今日も、眼育博士の研究所に、目の勉強に来ているようです…
【ミドリママ(以下ママ)】
「この前、100円ショップで『ピンホールメガネ』が売ってたんですよ。」
【眼育博士(以下博士)】
「あの、小さな穴がたくさん開いているメガネのことですか?」
【ママ】
「そうです、そうです。
あれって、けっこう笑える形をしていますよね。遠くから見るとまあクールなサングラスなんだけど、近くから見ると、昆虫の目みたいなの。」
【博士】
「私も、ピンホールメガネの信憑性については、良く相談を受けるんですよ。」
【ママ】
「パッケージには、【視力が回復する】って書いてますが、本当なんですか?
ちょっと信じがたいんですが…」
【博士】
「わかりました、お教えしましょう。
ミドリママは、ピンホールメガネをかけると、どうして見えやすくなるのか、知っていますか?」
【ママ】
「それは…よく分かりませんけど…
もしかしたら、昆虫と同じような目になるから見えやすくなるとか?2つだけより、たくさん目があるほうが、見えやすそうですものね。」
【博士】
「ははは、発想としては面白いですね。
ピンホールメガネで見えやすくなるのは、昆虫の目になるからではなく、小さな目になるからなんです。」
【ママ】
「どういうことですか?
もう少し分かりやすく教えてくださいよ。」
【博士】
「近視の人は、遠くのものを見るとき、目を細めるでしょう?」
【ママ】
「そうそう、うちのケンタもときどきやってます。」
【博士】
「ピンホールメガネをかけると、小さな穴を通して見るので、目を細めて見るのと同じ効果が得られるわけです。
つまり、目が小さくなるんです。
光の入る角度をせばめる効果があり、カメラで露出を絞り、ピントの合う範囲を深くするのと、同じ効果が得られます。
この働きのことを、ピンホール効果と言います。」
【ママ】
「ピンホール効果ですか?」
【博士】
「そうです。
なので、近視の人がかけると見えやすくなりますが、目を細めて見るのと同じ働きを持つだけなので、かけているだけで視力が回復する訳ではないのですよ。」
【ママ】
「やっぱりそうなんだ。」
【博士】
「そこのところを、誤解させるような売り方には、問題がありますね。」
防災袋よりも安心できることとは?

【ママ】
「確かに、そうですよね。
そう言えば博士、話は変わりますが、震災後の避難所で、レンズの度を自分で変えられるメガネが役立ったという話を聞きました。」
【博士】
「”アドレンズ・エマージェンシー“ですね。」
【ママ】
「あれって、自分で度数を調整できて、誰でも使えるんですよね。
震災のとき、メガネやコンタクトを持って逃げれなかったときは、ああいうメガネがあると便利ですよね。
防災袋には”エマージェンシー”を入れといたらいいでしょうか?」
【博士】
「たしかにあれは、名前の通り“緊急用”としては良いです。
ただし、長期的使用に耐えうるものではないのです。
あくまでも、緊急時用として、考えてくださいね。」
【ママ】
「ガーン!
近視でも安心できるグッズを見つけたと思ったのに…。ケンタの近視がさらに進んで、将来災害にあった時の事が心配で心配で…」
しょんぼりと肩を落とすママ。
博士はそんなママの肩にやさしく手を置く。
【博士】
「視力を維持する事こそ、最大の防災対策ですよ。
天災時に、メガネやコンタクトを無くして本当に困る人は、視力が0.1以下の方々です。それ以上の視力がある人にとっては、困りはしますが、まあ何とかなります。」
【ママ】
「そうなんですか」
【博士】
「そして、ここからが大事な点ですが、視力が0.1以下に落ちる人の多くは、成長期の間に落ちます。
逆に言うと、成長期の間をそれ以上の視力で乗り切れば、20歳以降になってから、視力が0.1以下に落ちる人は、ほとんどいません。
成長期の間を、ともかく最低でも視力が0.2以上の状態で乗り切るだけで、実は相当な財産だということを、多くの方に理解していただきたいですね。」
【ママ】
「ええ~。
なんか今までは、視力が1.0以上にならなければ、結局ダメじゃん、と思っていたのが、実は全然違うんですね。」
【博士】
「災害対策という意味から行くと、本当にそうなのです。
視力が1.0以上にならないからといって、せっかく始めた視力トレーニングを止めてしまう方がたまにいらっしゃるのですが、“誠にもったいない”としか、言い様がありません。」
【ママ】
「ようするに、20歳までに維持した視力が、その子の財産になるわけですね。」
【博士】
「歯と同じように考えると良いと思います。
一本虫歯ができたからといって、歯磨きをしなくなる人はいないですよね。目も同じで、成長期の間は、たとえ近視になったとしても、それ以上進ませないようにすることが、とても大切です。」
【ママ】
「確かに、“近視になったからもう終わり”ではないんですね。」
【博士】
「メガネやコンタクトが手に入らない状態におちいったとしても、何とか生きていける視力を維持しておく…
これが、防災袋に入れるグッズよりも、災害時において、最大の安心を生みますよ。」
【ママ】
「博士、いいこと言いますね…」
感動で涙ぐみそうになるママ。
うんうんとうなずく博士。
【博士】
「さあ、ケンタくんの近視を食い止めるために、三人で一緒にがんばりましょう!」
【ママ】
「”エマージェンシー”って、調べたらけっこう高かったんで、買おうかどうか迷ってたんです。
博士のおかげで、グッズには頼らない決心ができました。
代わりに、私の新しいコートを買うことにします!」
【博士】
「新しいコートが買えることになったから、感動していたんですか!?!?」
まとめ

◆震災でメガネを失ったとき◆
- ピンホールメガネで見えやすくなるのは、目を細めたのと同じ状態になっただけで、視力が改善するわけではない
- 度を自分で変えられるメガネ”アドレンズ・エマージェンシー”は、緊急時の一時しのぎには良いが、長期使用目的には使えない
- たとえメガネを失っても何とか生活できる視力をキープすることこそ、最も安心な防災対策
- 視力が0.1以下にまで落ちる人のほとんどは、成長期の間に落ちる
- 20歳までに維持した視力が、その人の財産
「早期発見/早期対処」の機会を逃さないために…
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