優位眼(ゆういがん)
両目で見ているときに、わずかに主導的に働きやすい目を指します。一般には「利き目(効き目)」、専門的には「優位眼」と呼ばれ、脳がその目の見え方を“基準”にして中心を合わせやすいのが特徴です。撮影のファインダーや指さし・的当てなど狙いを決めるとき、無意識に中心合わせをその目で行いがちです。利き手と一致することもありますが必ずではなく、どちらとも言いにくい人もいます。
どんな概念か
優位眼には大きく二つのとらえ方があります。ひとつはサイティング優位=穴あきカードや指さしのように「位置合わせ」の課題で決まる優先眼、もうひとつは感覚優位=両目にわずかな差を与えたとき、脳内で知覚が勝ちやすい目です。方法が異なると結果が一致しないこともあり、優位眼は状況に依存してゆらぐ概念と考えられています。
確かめ方(自宅でできる代表例)
- 穴あきカード(ホールインカード/Miles・Dolman法):両目で小さな穴から遠くの目標物を見て、カードを顔に近づけると、穴がどちらの目に重なるかで目安にします。
- 指さし(ローゼンバッハ法):両目で遠くの目標物を指さし、片目ずつ閉じたときにズレが少ない方を目安にします。
いずれも簡便な目安で、方法や条件によって結果が変わることがあります(方法間の一致は必ずしも高くありません)。
しくみと活用のポイント
- 利き手と必ずしも一致しない:一致する例は多いものの、必ずではありません。また、視力の良し悪しだけとも限りません。
- 「どちらとも言えない」人もいる:右優位が多いとする報告もありますが、左優位や中間型(不確定)も一定数みられます。
- メガネ・レンズ設計での使いどころ:モノビジョン(片方を遠用・もう片方を近用とする老視対策)では、優位眼を遠用に合わせる方法が広く用いられます。眼内レンズやコンタクトでの設計でも同様の考え方が紹介されています。
- 状況で変わることがある:わずかなぼかしや作業内容で、どちらが優位かの示し方が変わることがあります。
日常のヒント
- カメラのファインダーやスポーツの狙いなど、片目作業が得意な側を知っておくと姿勢や構えを調整しやすくなります。
- メガネ選びやモノビジョンを検討する場面では、優位眼の考え方が参考情報になります(個別の設計は専門家と相談)。
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