サギングアイ症候群(Sagging Eye Syndrome)とは?
サギングアイ症候群(Sagging Eye Syndrome、略称SES)は、主に高齢者に見られる眼位異常の一種です。加齢に伴う眼球周囲の結合組織の変性により、外眼筋の位置が変化し、斜視や複視(物が二重に見える)などの症状が現れます。
原因とメカニズム
SESの主な原因は、眼球を支える結合組織(特に外直筋と上直筋をつなぐ「LR-SRバンド」)の加齢による変性です。この結合組織が弱くなると、外直筋が下方にずれ、眼球の位置が変化します。その結果、遠くを見る際の内斜視や、上下の眼位ずれが生じ、視界がぼやけたり、二重に見えたりすることがあります。
主な症状
- 遠くを見るときに物が二重に見える(遠見複視)
- 視界がぼやける
- まぶたが下がる(眼瞼下垂)
- 上方を見る動きが制限される
これらの症状は、特に高齢者に多く見られますが、加齢による自然な変化として見過ごされがちです。しかし、適切な診断と治療により、症状の改善が期待できます。
診断と治療
SESの診断には、眼科専門医による詳細な眼位検査や、眼球のMRI検査が有効です。治療法としては、症状の程度に応じて以下の方法があります:
- プリズム眼鏡の装用:軽度の斜視や複視に対して有効です。
- 斜視手術:症状が重度で日常生活に支障をきたす場合に検討されます。
早期の診断と適切な治療により、視機能の改善が期待できます。
まとめ
サギングアイ症候群は、加齢に伴う眼球周囲の結合組織の変性によって生じる眼位異常です。特に高齢者に多く見られ、視界のぼやけや二重視などの症状が現れます。適切な診断と治療により、症状の改善が可能です。視界に異常を感じた場合は、早めに眼科専門医の診察を受けることをおすすめします。
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