ピント調節力(調節力)
目には「近くも遠くもはっきり見える力」が備わっており、これを「調節力」と呼びます。水晶体の厚さを調整することでピントを合わせる役割を担い、スマホや読書が多い現代ではその働きの理解とケアが重要です。
調節の仕組み
目の内部にあるリング状の筋肉「毛様体筋」が収縮や弛緩を行うことで、水晶体の厚みが変化し、ピントが調整されます。
- 近くを見るとき:毛様体筋が収縮して水晶体が厚くなり、ピントが近くに合います。
- 遠くを見るとき:毛様体筋が弛緩し水晶体が薄くなり、視点が遠くに合います。
年齢だけでなく、使い方でも変わる調節力
調節力は加齢によって低下することはよく知られていますが、日常の目の使い方も大きく影響します。特にスマホやタブレットの長時間・至近距離での利用は、
- 毛様体筋の緊張を持続させ、疲労をため込む原因となる
- 近視進行のリスクを高める誘因となる
例えば、「30cm未満」での長時間の読書や画面表示は近視の進行と関連が高いとされています。また、1時間あたりの画面使用が1時間増えるごとに、およそ21%近視リスクが上昇するというデータも報告されています。さらに、暗い室内での近距離作業は、仮性近視や調節過多を引き起こす可能性があり、注意が必要です。
調節力の低下による影響
- 視界がぼやけやすくなる
- 近くの作業後に遠くが見づらくなることもある
- 読書や画面の見続けで眼精疲労、頭痛、肩こりを引き起こす可能性
日常でできるケア・予防法
- 画面との距離を保つ:30cm以上を目安にハーモン距離を意識して、近すぎる距離を避けましょう。
- 定期的な休息:ハーフタイム(5~30分ごとにピントの合うぎりぎりの遠くを見る)で目の筋肉をリセット。
- 屋外での活動を増やす:自然光のもとで過ごすことで、目の調節疲労を和らげ、近視進行を抑える効果があります。
- 良好な姿勢と照明:姿勢を整え、十分な明るさで作業することで負担を軽減。
まとめ
調節力は「目の柔軟性」。年齢による自然な低下だけでなく、スマホやタブレットの使い方など日常の目の習慣によっても疲労や弱まり・近視につながることがあります。簡単なケアを日常に取り入れて、目の健康を守りましょう。
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