低濃度アトロピンとは?
低濃度アトロピンは、主に小児の近視進行を抑制する目的で使用される点眼薬です。もともとは散瞳検査をするために使われていました。近年は、近視の進行を穏やかにする「近視抑制治療」として使用されています。
どう働くの?
アトロピンには、目の中でピントを合わせる筋肉(毛様体筋)の緊張をやわらげる作用があります。これによって、近くを見るときの負担が軽くなり、眼軸(目の長さ)が伸びすぎるのを抑え、近視の進行を遅らせる効果が期待できます。
使い方のポイント
通常はご家庭で、夜寝る前に1日1回、片目ずつ1滴ずつ点眼します。濃度は0.01%~0.05%程度と非常に弱いため、まぶしさや近くの見えづらさなどの副作用は少ないですが、念のため外出時にサングラスを使うと安心です。
主な処方対象
以下のようなケースで、眼科医がアトロピン点眼を処方することがあります。
- 近視の進行が速いお子さま(学童期など)
- 成人でも近視が急激に進んでいる場合
- 眼軸長の延長が検査で確認された方
受診と継続のポイント
必ず眼科医の診察を受け、定期的に視力・眼軸長をチェックしながら続けてください。
アトロピン点眼は近視の原因そのものを取り除く治療法ではありません。
あくまで進行を「遅らせる」ための選択肢のひとつであり、効果には個人差があるほか、根本的な改善には至らないケースも多くあります。
低濃度アトロピンは、進行抑制の「補助的な手段」としては有効ですが、それだけに頼るのではなく、目に負担のかかる生活習慣を見直すことや、適切な視力矯正、日常の姿勢や光環境の改善など、トータルでの対策が欠かせません。
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