CYL(Cylinder/円柱度数)
定義:
CYL(シリンダー)とは、乱視の度合いを示す数値です。眼鏡やコンタクトレンズの処方箋では「SPH(球面度数)」と並んで記載され、目の歪み(乱視)をどの程度補正する必要があるかを表します。
単位はD(ディオプター)で、+または−の符号がついて表示されます。
例:CYL –1.00D、CYL +0.75D
何を示す?
私たちの目の角膜や水晶体が完璧な球面でない場合、光の焦点がずれて、物がにじんで見える乱視が起こります。CYLはこの「ゆがみ」の程度を数値化し、どれだけの力で補正すべきかを示します。
乱視とは?
角膜や水晶体のカーブが不均一なため、光が一か所に集まらず、ピントが合わなくなる状態です。
モノがダブって見えたり、にじんだように感じたりする原因になります。
CYLと近視の関係
「SPHだけで近視は分かる」と思いがちですが、実際には近視と乱視が同時に起きているケースが多く、CYLも重要な矯正項目です。
例:
SPH –2.00D / CYL –1.00D
この場合、近視と乱視の両方があるため、どちらの補正も必要になります。
視力検査との違いと注意点
視力(0.3、0.7など)の検査は自覚検査であり、子どもが乱視を感じていなくても、見えにくさがあることがあります。
乱視は本人が気づきにくく、片目ずつの視力は出ているのに、両眼だと違和感があるという場合も。
CYLは、オートレフラクトメーターによる屈折検査で客観的に測定できるため、乱視の有無や度合いを正確に把握できます。
AXIS(乱視軸)とのセット
CYLがある場合は、必ずその方向を示すAXIS(アクシス)も併記されます。
AXISは乱視の方向(0°〜180°)を示し、レンズの効果が正しく働くよう調整するために欠かせません。
目を細める癖と乱視の関係
目を細めることで像のボケを軽減できることがありますが、これはカメラの絞りを絞って光を制限するのと同じような仕組みです。
しかし、目の周りの筋肉に余計な力が加わり、長期的には角膜に圧力がかかって変形し、乱視を引き起こす要因となることもあります。
目を細める癖は早いうちに改善することが望ましいとされています。
まとめ
- CYL(円柱度数)は、乱視の程度を示す数値(D:ディオプター)。
- SPHとCYLの両方を確認することで、近視+乱視を正確に補正できる。
- 視力検査だけでは分かりづらい乱視も、CYLで客観的に把握可能。
- 処方箋にCYLが記載されていても、軽度であれば矯正が不要なケースもあります。
- 目を細める癖は乱視を引き起こす要因になりやすいため注意が必要です。
分類から探す
頭文字から探す
目の用語辞典
おすすめタグ
閲覧ランキング

オンライン診療(眼科)


AXIS(乱視軸)


PD(瞳孔間距離)


CYL(円柱度数)


眺視(ちょうし)

関連記事

学校検眼で「近視」と言われたら──できることから、始めてみませんか?

アムスラーチャートとは?見え方の変化でわかる目の異常

目の健康寿命を延ばす!アイフレイル予防の決定版ガイド

近視は“目の心身症”??

なぜメガネをかけている子には〇〇が多いのか?

近視の8割は●●●から始まる!?

視力回復ができる装置を、夏休みの自由研究で作ってみよう♪

視力回復のための最終兵器は、テレビを見ることだった!!