SPH(Sphere/球面度数)
定義:
SPH(エスピーエイチ)とは、英語の Sphere(球面) を略したもので、眼鏡やコンタクトレンズの処方箋に記載される「球面度数」を指します。
この数値は「D(ディオプター)」という単位で表され、レンズがどのくらい光を屈折させるか、つまり近視や遠視をどれだけ補正するかを示します。
何を示す?
SPHの数値によって、近視または遠視の矯正度合いがわかります。
- マイナス記号(–)が付いていれば近視(遠くがぼやける)
- プラス記号(+)が付いていれば遠視(近くがぼやける)
たとえば「SPH –2.50D」とあれば、これは–2.50ディオプターのレンズで矯正が必要な近視を意味します。
数値が大きくなるほど、必要な矯正度合いが強いことを示します。
D(ディオプター)って?
ディオプター(D)は、レンズの屈折力を表す単位です。
数値が大きいほど光を曲げる力が強く、視力の補正がより強力になります。
例: –0.75D、–3.00D など(いずれも近視のSPH値)
なぜ重要?
SPHは、遠くを見るためのピントを合わせる基礎的な度数であり、近視矯正の中心的な数値です。
視能訓練士や眼科医による検査でも、まず最初に確認される非常に重要な項目です。
視力(0.3、0.5など)との違いと注意点
眼科を受診すると、「視力は0.3ですね」「0.5まで見えています」といった説明を受けることがありますが、これらは自覚検査による視力測定の結果です。
この検査結果は以下のような要因で変動しやすい性質があります:
- 測定する時間帯や照明環境
- 測定者との相性や病院の雰囲気
- 子どもの緊張状態や体調の変化
特にお子さんの場合、緊張によって筋肉がこわばるとピントがうまく合わず、本来の視力よりも低く出てしまうことがあります。
そのため、眼科の視力検査ではやや厳しめに出る傾向があるとされています。
SPH(屈折度数)で近視の進行を正しく把握
SPHを含む「屈折検査」は、オートレフラクトメーター(オートレフ)という機器を使って、目の光の屈折状態を客観的に測定する方法です。
このような検査により、見え方に左右されず、近視の進行具合を正確に数値で把握することができます。
まとめ
- SPH(球面度数)は、近視・遠視の進行度合いを数値化した視力矯正の基礎指標です。
- 視力(0.3、0.5など)は変動しやすい自覚的検査結果ですが、SPHは客観的で信頼性があります。
- 眼科では視力だけでなく、「SPHの値」も必ず確認しましょう。
- SPHの把握は、正しい視力管理と近視進行抑制の第一歩です。
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