バイオレットライト

バイオレットライト（VL）は、可視光線のうちおおむね360〜400nm付近の短波長光を指します。紫外線に隣接する領域ですが、紫外線（有害性が高い波長域）とは区別される可視光の一部です。

近視との関連

• 屋外時間の増加は、子どもの近視の発症・進行を抑える要素として広く支持されています。その要因の一つとして、屋外光に含まれるバイオレットライト（360〜400nm）が注目されています。
• 国内外の研究で、バイオレットライトの曝露が眼軸の伸びを抑える可能性が示されています。VLを通すレンズやVLを発する眼鏡フレームを用いた臨床試験も報告されていますが、長期効果や対象年齢・曝露量の最適条件は検証段階です。
• 実践の優先順位としては、まず毎日の屋外活動（目安1〜2時間／可能な範囲で）と、近距離作業の見直し（距離・休憩・姿勢）を基本に。VL透過をうたうレンズ等は補助的な選択肢として検討し、製品特性は専門店で確認しましょう。

日常での取り入れ方

• 屋外での遠くを見る機会を増やす：目安は1〜2時間/日（天候・生活に合わせて無理のない範囲で）。公園遊び・散歩・スポーツなど、まばたきが自然と増える活動が理想。
• 窓越しの光は不十分なことがある：一般的な窓ガラスは短波長成分を通しにくい場合があります。できれば屋外で。
• 紫外線対策は継続：帽子・日陰の活用などのUVカット対策。紫外線を防ぎつつ、可視域のバイオレットライトをある程度取り込める設計のレンズも選択肢ですが、製品特性は専門店で確認を。
• 画面中心の生活を整理：近距離作業の連続は調節負担を高めます。目の休憩（ハーフタイム）や、文字サイズ・姿勢・作業距離（30cm以上）を見直しましょう。

誤解しやすいポイント

• ブルーライトと同じではありません：ブルーライトはおおむね380〜500nm。バイオレットライトはその短波長端に近いより狭い帯域です。
• 一つの光だけで近視を防げるわけではない：屋外時間、近業の仕方、睡眠・生活リズムなど複数の要因が関わります。

まとめ

バイオレットライトは、屋外で得られる短波長成分の一つで、屋外時間の増加による近視抑制効果に関与している可能性が示されています。まずは毎日の屋外活動と近距離作業の見直しをベースに、必要に応じてレンズ選びや作業環境の調整を組み合わせるのが現実的なアプローチです。

関連用語

• 近視進行抑制
• ハーフタイム
• ブルーライト
• ピント調節（調節力）