モノビジョン
左右の役割を分け、一方を遠く、もう一方を近くに合わせる見え方の設計です。コンタクトレンズや屈折矯正手術、白内障手術(単焦点眼内レンズの設定など)で用いられ、眼鏡の頻度を下げることがねらいです。一方で、人の視覚の基本である両眼視、両目で同時に見ることで得られる奥行き・細かな見え方など、両眼視の利点の一部に妥協を伴う考え方でもあります。
どんな方法か
モノビジョンでは、両目で同時に見ていますが、脳は場面ごとによく見えている側の像を主に採用し、もう一方は補助的に扱う(ときに抑える)ことで実用的な見え方にまとめます。つまり、通常の両眼視のように完全に融合しているわけではなく、距離や明るさに応じて優先側が入れ替わります。
なお、一般的には優位眼(利き目)を遠方に合わせ、反対側を近方寄りに設定します。設定の度差はさまざまですが、日常の違和感を抑えるため小さめの度差(いわゆるミニ・モノビジョン)が選ばれることがあります。
特徴(利点と注意点)
- 利点:多くの場面で眼鏡の掛け外しを減らせます。コンタクトやレンズ設計で事前に試せる点も実務的です。
- 注意点:左右でピントの役割を分けるため、立体視(奥行き感)やコントラスト感度、夜間の見え方が低下・変化することがあります。個人差が大きく、仕事内容や生活環境によっては不便を感じる場合があります。
- 慣れと相性:時間とともに慣れる方がいる一方で、慣れにくい・気になるままの方もいます。とくに精密作業やスポーツ、夜間運転など両眼視の質を重視する場面では、慎重な検討が必要です。
モノビジョンは、眼鏡依存を減らせる一方で、自然な目の使い方である両眼視の働きを部分的に抑える設計です。ご自身の生活や仕事の場面を踏まえ、慎重にご検討ください。
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