リジュセアミニ
リジュセアミニ点眼液0.025%は、近視の進行を抑えることを目的とした点眼薬です。
有効成分はアトロピン硫酸塩水和物で、1mL中に0.25mg含まれています。日本では2024年12月に「近視の進行抑制」を効能・効果として承認され、2025年4月から販売されています。日本で初めて承認された近視進行抑制点眼剤です。
どのように近視の進行を抑えるの?
近視の多くは、眼球の前後の長さである眼軸長(がんじくちょう)が伸びることで進行します。
リジュセアミニに含まれるアトロピンは、ムスカリン受容体という受容体の働きを抑える「抗ムスカリン作用」を持つ薬です。
ムスカリン受容体の活性化を抑えることで、網膜や強膜に直接または間接的に作用し、強膜が薄くなったり伸びたりする変化を抑えることで、眼軸長の伸びを抑制すると考えられています。
少し難しく聞こえますが、
眼球が前後に伸びすぎるのを抑えることで、近視の進行を抑えることを目指す薬
と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、アトロピンが近視進行を抑える詳しい仕組みについては、まだ完全に解明されているわけではありません。
「ピント調節を休ませるから効く」の?
アトロピンには、毛様体筋の働きを抑えてピント調節を弱める作用(調節麻痺作用)があります。
以前は、この作用によって目のピント調節を休ませることが、近視の進行を抑える主な理由ではないかと考えられていました。
しかし、その後の研究では、調節を弱める作用だけではアトロピンの近視進行抑制効果を説明できないことが分かってきました。調節機能とは関係なく近視進行が抑えられた動物実験なども報告されています。
現在は、アトロピンが網膜・脈絡膜・強膜などの組織や複数の受容体に作用し、眼球の成長に関わるシグナルに影響することで、眼軸長の伸びを抑える方向に働く可能性が考えられています。
ただし、どの作用がどの程度関与しているのかは、まだ完全には解明されていません。
どのくらい効果が確認されている?
日本で行われた第Ⅱ/Ⅲ相試験では、5~15歳の近視患者299人を対象に、0.01%アトロピン、0.025%アトロピン、プラセボを比較しました。
24か月後の近視度数の変化は、
・0.025%アトロピン群:平均 -1.02D
・0.01%アトロピン群:平均 -1.31D
・プラセボ群:平均 -1.65D
で、0.025%アトロピン群ではプラセボ群より近視の進行が抑えられました。眼軸長の変化も評価されています。
この臨床試験結果などをもとに、日本で「近視の進行抑制」を効能・効果として承認されています。
※上記の数値は臨床試験全体の平均値であり、個々の人に同じ結果が得られることを意味するものではありません。
近視が治る目薬ではない
リジュセアミニは、すでにある近視を治して元に戻す薬ではありません。
また、点眼することで裸眼視力を直接上げる薬でもありません。
目的は、今後の近視の進行をできるだけ抑えることです。
そのため、見え方の補正が必要な場合は、眼鏡などを併用することがあります。
使用するときに知っておきたいこと
リジュセアミニでは、瞳孔が広がる作用によって、まぶしさ(羞明)やかすみ、見えにくさなどが現れることがあります。
電子添文では、主な副作用として羞明、視力障害、霧視、瞳孔障害、頭痛などが記載されています。
また、日本近視学会の手引きでは、治療対象者の判断、副作用への対応、経過観察のため、眼科で診断・処方し、定期的に検査を行うことが示されています。
まとめ
リジュセアミニは、低濃度アトロピンを使った近視進行抑制用の点眼薬です。
アトロピンがムスカリン受容体の働きを抑え、網膜や強膜などに作用することで、眼軸長の伸びを抑える方向に働くと考えられています。
近視を治したり、裸眼視力を直接上げたりする薬ではありません。
使用を検討する場合は、現在の近視の程度や進み方を眼科で確認し、医師と相談することが大切です。
主な参考資料
・日本近視学会「低濃度アトロピン点眼液を用いた近視進行抑制治療の手引き」
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