第44回眼 視力低下は”目の心身症”???
- 視力回復辞典(視力回復の真実)
- 2006.11.29
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度のないメガネで視力が…?
ストレスの多い環境が視力低下と関係することは、以前も触れました。
最近では、この“ストレスと視力低下”について、専門家の間でもずいぶん問題意識をもって取り上げられるようになってきています。
『日本眼科医会』のHPにも、子どもの目の心身症―心因性視力障害と題する、次のような記述があります。
「目には悪い所がないのに視力が落ちたり、また近視、遠視、乱視などでメガネをかけても視力が良くならない小学生や中学生が増えています。
ものを見るために目は重要ですが、最終的にものを見ているのは脳なのです。
この脳にストレスがかかると、目に見えているはずのものが認識できないことがあります。
これが心因性の視力障害です。
8歳から12歳の子どもに最も多くみられ ――中略――
男女差があり、女子は男子の3~4倍多くみられます。
視力は悪いにもかかわらず、眼球自体には異常は発見されません。」
こういったタイプの視力低下は、0.4~0.6程度の比較的軽いものであることが多く、学校検眼で見つかるケースが大半なのだそうです。
続いて、「このような子どもをよく調べてみますと、学校や家庭で心の悩みを抱えていることがあります。
このストレスが、視力障害の原因と考えられています。
視力を測定してみますと、測定のたびごとに視力が違っていたり、度のないメガネをかけると、視力が改善することもあります。」とあるのですが、【度のないメガネをかけると視力が改善する】という部分など、思わず読み返して確認したくなります。
「度のあるメガネ」の間違いじゃないの??
…と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、これは間違いではありません。
まさに、視力がストレスの状態に左右される、というケースがよくわかる話なのですね。
うちの子と似てる??
続いて、具体的な子どものストレスのケースも挙げられています。
「たとえば家庭内では、肉親の死、両親の不仲、離婚、親の愛情の差別、塾通い、お稽古ごとの負担、親の過干渉、などです。
また学校関係では、入学・転校、クラス・担任替え、友人関係、部活、などがあります。
試験になると答案が見えないとか、ピアノの稽古のときに楽譜が見えない、算数の時間になると黒板の字が読めないなど、時と場所によって見えないこともあります。
心因となる要因はさまざまです。」
これらのケースを見て、「なんだかうちの子と状況が似てる…」と思われたお父さんやお母さんも、いらっしゃるかもしれません。
そのくらい身近で、誰にも思い当たりそうなことが多いのではないでしょうか。
眼育総研でも、皆さまからの『近視お悩み相談』にお応えする際には、お子さんの視力低下に関して“ここ最近ストレスを感じるような状況がなかったか?”を伺っています。
今までに実際にあったご回答のパターンとして、
- 海外に引っ越した
- 転校して、なかなか馴染めないようだ
- 下の子が生まれ、今までのように親がかまってやれなくなった
- 習い事が多い
- 習い事や塾の「試験」があり、緊張することが多い
- 小学校・中学校受験の勉強をしている
などがあります。
これらを見ても、やはり先述のパターンと似通っているものが多いことがわかります。