眼精疲労と肩こりがつらい…その不調、目の使い方が影響しているかもしれません
執筆者 眼育総研事務局
🖍 公開日:
2026.01.29
↺ 更新日:
2026.01.29
執筆者 眼育総研事務局
眼育総研事務局は、2001年より、視力や目の使い方に関する情報を家庭で実践できる形で整理・発信しています。医療に関わる内容は、公的機関・学会等の一次情報を確認のうえ編集しています。 気になる症状が続く場合は、医療機関へご相談ください。
「肩がガチガチで、夕方になると頭まで重い」
「マッサージしても、その場しのぎでスッキリしない」
毎日がんばっているほど、こういう不調って積み重なりますよね。

実はその肩こり、首こりや頭痛の背景に眼精疲労(目の疲れ)が関係していることがあります。
目と肩は一見関係なさそうですが、作業環境・姿勢・目のピント調節が連動しやすく、負担が“連鎖”しやすい組み合わせです。

この記事では、なぜ目の疲れが肩こりや頭の重さ(ときに頭痛)につながりやすいのか、原因(メカニズム)と、日常でできる対策(セルフケア)を分かりやすく整理します。

眼精疲労と肩こりは、別々の不調ではありません

疲れを感じる仕事中の女性

なぜ目の疲れが首・肩まで影響するの?

パソコンやスマホを見続けていると、目はピントを合わせるために細かい調整を続けます。

この状態が長く続くと、無意識のうちに姿勢が固まり、首や肩の筋肉も緊張しやすくなります。いわゆる首こりが出てくる方もいます。

また、画面に集中していると瞬きが減り、目の乾きやかすみが出やすくなります。

こうした「目の負担+姿勢の固定」が重なることで、肩こりや頭の重さ(ときに頭痛)につながることがあります。

「肩だけが原因」と思っていた症状が、実は目の酷使から始まっているケースもあります。

原因1:目のピント調節筋(毛様体筋)の酷使による緊張

パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けると、目のピントを合わせるために「毛様体筋」という筋肉が常に緊張した状態になります。

この毛様体筋が疲労すると、その緊張が首や肩周りの筋肉にも伝わります。

目は、首や肩の筋肉と神経で密接につながっているため、目の疲れが肩の筋肉を硬直させ、こりや痛みを引き起こすことがあるのです。

特に、細かい文字を追ったり、集中して画面を見つめたりする作業は、毛様体筋に大きな負担をかけ、眼精疲労から肩こりへとつながる代表的な要因となります。

原因2:自律神経の乱れが引き起こす血行不良

過度な目の酷使やストレスは、心身をコントロールする自律神経のバランスを乱す原因となります。

自律神経には、活動時に優位になる「交感神経」と、リラックス時に優位になる「副交感神経」があります。

目の疲れが続くと交感神経が優位な状態が続き、血管が収縮して血行が悪くなります。

血行不良になると、筋肉に十分な酸素や栄養が届きにくく、疲労物質が溜まりやすくなります。

その結果、首や肩の筋肉が硬くなり、慢性的なこりや痛みとして現れるのです。

めまいや吐き気といった症状も、自律神経の乱れが関係している場合があります。

原因3:長時間同じ姿勢でいることによる首や肩への負担

デスクワークでパソコン画面を見る際、無意識のうちに頭が前に出る「猫背」のような姿勢になりがちです。

この姿勢は、重い頭を支える首や肩の筋肉に大きな負担をかけ続けます。

特に首の後ろから肩、背中にかけての筋肉が常に緊張し、首こりや肩こりの直接的な原因となります。

長時間同じ姿勢を続けることは血行不良も招き、症状をさらに悪化させます。

また、このような不自然な姿勢は上半身だけでなく、体の土台である腰にも負担をかけ、腰痛を併発するケースも少なくありません。

目の疲れと姿勢の悪さが組み合わさることで、体全体の不調につながるのです。

※デジタル作業由来の不調「VDT症候群」についてはこちらから
※“作業距離”は、目の負担を減らす土台になります⇒目安の考え方はこちらから

あなたの肩こりは眼精疲労が原因かも?簡単セルフチェックリスト

肩を抑える女性

肩こりの原因はさまざまですが、もし目の疲れも同時に感じているなら、眼精疲労が関係しているかもしれません。

以下の項目に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

複数の症状が該当する場合、目の酷使が肩こりを引き起こしている可能性が高いと考えられます。

  • ✅ 目の奥が痛む、重い感じがする
  • ✅ 夕方になると物がかすんで見える
  • ✅ パソコンやスマホを1日4時間以上使用する
  • ✅ 首の後ろから肩にかけて張っている

【セルフケア】眼精疲労と肩こりを和らげる4つの方法

眼精疲労と肩こりを和らげる4つの方法

つらい眼精疲労や肩こりは、日々のセルフケアで和らぐことがあります。

ここでは、仕事の合間や自宅で簡単に実践できる「解消」を目指す対策を4つ紹介します。

合うものからで大丈夫です。無理なく続けられる方法を、ひとつずつ増やしていきましょう。

目の周りの血行を促進するツボ押し

目の周りには、眼精疲労の対策として取り入れやすいツボがいくつかあります。

例えば、眉頭の内側にあるくぼみ「攅竹(さんちく)」や、目頭と鼻の付け根の間にある「晴明(せいめい)」などが代表的です。

これらのツボを指の腹で心地よいと感じる強さで5秒ほどゆっくりと押し、ゆっくり離す動作を数回繰り返します。

ツボ押しは目の周りの血行を促し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。

また、こめかみにある「太陽(たいよう)」や、首の付け根にある「風池(ふうち)」も、目の疲れやそれに伴う頭痛、肩こりのケアに取り入れやすいツボです。

「頭痛 対策」「頭痛 解消」を急ぎたい日こそ、まずは強く押しすぎず、呼吸を止めずにやってみてください。

肩周りの緊張をほぐす簡単ストレッチ

長時間同じ姿勢で固まった肩周りの筋肉は、軽いストレッチでほぐしやすくなります。

まず、両肩を耳に近づけるようにゆっくりとすくめ、数秒キープした後にストンと力を抜きます。これを数回繰り返します。

また、両腕を後ろで組み、胸を張るようにして肩甲骨を寄せるストレッチもおすすめです。

ゆっくりと呼吸をしながら行うことで、リラックス効果も高まります。

激しい運動ではなく、こうした「短い・軽い」動きをこまめに入れることが、血行を改善し、こりを溜め込まないために役立ちます。

蒸しタオルで目と首を温めてリラックス

目の疲れや肩こりの緩和には、患部を温めるケアが役立つことがあります。

水で濡らして軽く絞ったタオルを電子レンジで温め、心地よいさの蒸しタオルを作ります。

それを閉じたまぶたの上や、首の後ろに数分間のせるだけで、筋肉の緊張が和らぎ、リラックスしやすくなります。

熱すぎると火傷の危険があるため、温度には十分注意してください。市販のホットアイマスクを利用するのも手軽です。

リラックスできる音楽を流しながら行うと、呼吸も整い、より“ゆるみ”を感じやすくなることがあります。

デスクワークの合間にできるマッサージ

デスクワークの合間には、簡単なマッサージや肩の緊張をほぐしましょう。

まず、こっていると感じる方の肩に反対側の手を置き、首筋から肩先にかけてゆっくりと揉みほぐします。指の腹を使い、心地よい圧で押すのがポイントです。

次に、首の後ろの骨の両側にある太い筋肉を、親指と他の4本の指で掴むようにして揉むと、首こりの緩和につながることがあります。

強い力で揉むと筋肉を傷める可能性があるため、あくまで「気持ちいい」と感じる程度に留めてください。

短時間でもこまめに行うこのマッサージが、疲労の蓄積を防ぎ、症状の「改善」を後押しします。

「セルフケアを続けても、目のピントがつらい…」そんなときは、“生活の中で目の使い方を整える”という選択肢もあります。

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※感じ方には個人差があります。気になる症状が続く場合は、眼科など専門家に相談してください。

日常生活で実践したい!眼精疲労と肩こりの予防策

明るい机のイメージ

眼精疲労や肩こりは、症状が出てから対処するだけでなく、日頃から予防することが大切です。

普段の生活習慣を少し見直すだけでも、つらい不調を未然に防ぎやすくなります。

パソコン・スマホ使用時の正しい姿勢と環境設定

パソコンやスマホを使用する際は、正しい姿勢を意識することが大切です。椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばしましょう。

画面は目線がやや下になる高さに調整し、最低でも40cm以上離すように心がけます。

画面が明るすぎたり、部屋の照明が画面に反射したりすると目に負担がかかるため、ディスプレイの輝度調整や照明の位置にも注意が必要です。

(※照明が合わないと、姿勢が崩れて首肩までつらくなることがあります。環境の見直し例についてはこちら)

また、空気が乾燥しているとドライアイになりやすいため、加湿器を使用したり、意識的にまばたきを増やしたりすることも眼精疲労の予防につながります。

「環境を整える」だけで、目と体への負担がぐっと軽くなることがあります。

なるべくこまめに休憩し、遠くを見る習慣をつける

パソコン作業などを続ける場合は、5~20分に1回、5~20秒の休憩を入れることで、目の負担をやわらげます。

休憩中は、席を立って軽く体を動かしたり、窓の外の景色を眺めたりして目を休ませましょう。

近くの画面をずっと見続けることで緊張した目のピント調節筋(毛様体筋)を、遠くを見ることでリラックスさせることができます。

意識的に遠くの景色と手元を交互に見るだけでも、目の筋肉のストレッチになります。

休むのを忘れて集中してしまう人ほど、タイマーで区切るだけでも続けやすくなります。

自分に合った度数のメガネやコンタクトレンズを使用する

度数が合っていないメガネやコンタクトレンズを使い続けると、無理にピントを合わせようとして目に余計な負担がかかり、眼精疲労や肩こりの原因になることがあります。

視力は年齢や生活習慣によって変化するため、定期的に眼科で検査を受け、常に自分に合った度数のものを使用することが重要です。

パソコン作業が多い場合は、手元の文字が見やすいように調整された近方視力用のメガネなどを検討するのも一つの対策です。

見え方に違和感があるときは、がんばって合わせ続けず、早めに相談してみてください。

体を温めて血行を促す入浴のコツ(湯船で整える)

一日の終わりには、シャワーだけで済ませず、ゆっくりと湯船に浸かる習慣をつけましょう。

38~40℃程度のぬるめのお湯に15分ほど浸かることで、全身の血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。

首までしっかりとお湯に浸かることで、肩や首周りのこりがほぐれやすくなります。

入浴中に、首をゆっくり回したり、肩を軽くマッサージしたりするのも効果的です。

体を芯から温めることは、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる助けにもなります。睡眠の質にもつながりやすく、目と体の回復を後押しします。

症状が改善しない場合は病院へ!受診を検討すべきサイン

セルフケアを試しても症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたすほどの強い痛みがある場合は、専門の医療機関(病院)を受診しましょう。

単なる疲れ目や肩こりだと思っていても、別の要因が隠れている可能性もあります。がまんしすぎないでくださいね。

頭痛や吐き気、めまいなど他の症状を伴う場合

眼精疲労や肩こりに加えて、慢性的な頭痛や吐き気、めまい、手のしびれといった他の症状が現れている場合は注意が必要です。

これらの症状は、単なる目の疲れだけが原因ではない可能性も考えられます。

特に、これまで経験したことのないような激しい頭痛や、急な視力低下が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。

セルフケアを続けても痛みが続くときの受診先

症状に応じて適切な診療科を選ぶことが大切です。

目のしょぼしょぼ感やかゆみ、痛み、視力低下などが主な症状であれば、まずは眼科を受診しましょう。

肩や首の痛みが特にひどい場合は、整形外科が専門です。

頭痛やめまい、吐き気などを伴う場合は、内科や脳神経外科への相談も考えられます。

どこに行けばよいか迷う場合は、まずかかりつけ医に相談するのも一つの方法です。

また、治療の一環として専門家の施術(鍼治療など)を検討する場合もありますが、自己判断で無理をせず、必要に応じて医療者へ相談してください。

  

ぼやけが気になる方はこちらも参考にしてください⇒白内障?老眼?疲れ目?――“ぼやけ”の原因を整理して、できることから始める

眼精疲労と肩こりに関するよくある質問

ここでは、眼精疲労と肩こりに関して多くの方が抱く疑問にお答えします。

市販薬の考え方や、症状緩和のための対処法、食事で意識したい栄養(ビタミン)など、日々のケアに役立つ情報をまとめました。

Q:眼精疲労に使える市販の目薬はありますか?

目薬(市販薬)は、乾きやかすみなどの症状を一時的に緩和する目的で選択肢になることがあります。

製品によって配合成分や得意な症状が異なるため、薬局の薬剤師に相談し、自分の症状に合ったものを選ぶと安心です。

また、コンタクトレンズ装用中は「コンタクト対応」の表示があるものを選び、用法・用量を守って使用してください。

目の痛みが強い、見え方が急に変わるなど不安があるときは、目薬で様子見を続けず、眼科で相談しましょう。

Q:肩こりを解消するために冷やすのと温めるのはどちらが良いですか?

慢性的な肩こりには、温めて血行を良くするケアが合うことが多いです。

蒸しタオルや入浴で温めることで筋肉の緊張が和らぎます。

ただし、寝違えなど急な痛みがある場合は、炎症を抑えるために冷やす方が適していることもあります。迷う場合は医療機関へ相談してください。

Q:眼精疲労や肩こりのために意識したい食べ物や栄養素(ビタミン)はありますか?

目の健康維持にはビタミンA、血行サポートや疲労感のケアにはビタミンB群やビタミンEを意識するのが一つの考え方です。

豚肉、うなぎ、レバー、ナッツ類、緑黄色野菜などを、無理のない範囲でバランス良く食事に取り入れてみましょう。

ただ、栄養は「これだけで解消」と言い切れるものではないので、生活習慣の見直し(休憩・姿勢・湯船など)とセットで考えるのがおすすめです。

まとめ

眼精疲労と肩こりは、目のピント調節筋の酷使、自律神経の乱れ、長時間の同じ姿勢などが複合的に絡み合って起こることがあります。

「肩だけ」「首だけ」と切り分けるよりも、目の使い方・環境・体のこわばりをまとめて整えるほうが、改善につながりやすいケースもあります。

対策としては、ツボ押し(頭痛 ツボのケアにも)、ストレッチ、蒸しタオルで温める、短いマッサージなど、続けやすいセルフケアを生活に組み込むことがポイントです。

さらに、姿勢や画面環境を整え、1時間に1回休憩して遠くを見る習慣、そして湯船で体を温める時間をつくるだけでも、予防の土台ができます。

それでも症状が改善しない、強い頭痛や吐き気、視力の急な変化などがある場合は、自己判断せずに早めに病院(眼科など)へ相談してください。

「ちゃんとケアしなきゃ」と思うほど疲れてしまうこともあります。できることを一つずつで大丈夫です。

著者・監修者・運営情報

執筆

眼育総研事務局

眼育総研事務局は、目の健康と視力ケアの情報サイト「視力ランド」を運営する編集部です。

担当:太田(編集)

編集方針免責事項

監修

鈴木 弘一医学博士

監修範囲:医学的記述(一般的な症状説明・受診目安・注意喚起)

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