眼科のワックは効果がないって本当?
執筆者 眼育総研事務局
🖍 公開日:
2025.06.25
↺ 更新日:
2025.06.25
執筆者 眼育総研事務局
2001年より子供の視力回復トレーニング教材の企画・販売や教室を運営現在はTVやYouTubeを見ながらトレーニングができるホームワックの製造・販売を行う

眼科のワックは効果がないって本当?

最近、子どもの近視について眼科を受診した親御さんの中には、
「眼科のワックは効果がないからやらなくていい」
「低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジーの方が確実」
といった説明を受けて、モヤモヤしている方も多いのではないでしょうか。

本当に、眼科のワックは効果がないのでしょうか?
いきなりオルソで大丈夫?
そんな疑問にお答えするために、この記事では眼科ワック治療の本当の役割や、効果が出る人・出にくい人の違い、そして通院が難しいご家庭向けの対策もご紹介します。


ワックの役割って?

ワックトレーニング
ワック(WAC)はもともと、眼科で両眼視機能を検査するための医療機器として開発されました。
その後、仮性近視(=毛様体筋の緊張で一時的に近視のように見える状態)の治療にも応用され、現在では多くの眼科で「調節緊張の緩和」や「視力回復トレーニング補助」として活用されています。

正確には“視力回復装置”ではなく、“調節機能の回復をサポートする装置”というのがより適切な表現です。仕組みとしては、遠近のピント切り替え運動を促す「雲霧法」によって、毛様体筋の緊張をほぐし、ピント調節力の回復を目指します。

週1〜2回、5分程度の使用でも、遠くを見る感覚を脳と目に思い出させる効果があり、仮性近視段階であれば、眼鏡を回避できる可能性もあります。


効果がある人とない人の違い

まるばつ
眼科のワックは誰にでも劇的な効果があるわけではありません。大きな分かれ道になるのがこちら。

最も効果が出やすいケース

  • 調節緊張が主な原因(仮性近視)
  • 軽度の近視(-1.0D未満)
  • 生活習慣の見直しとセットで取り組んでいる
  • 2ヶ月以上、週1〜2回通えている

なかなか効果が出にくいケース

  • 真性近視(=眼軸が伸びている)に移行している
  • 通院期間が短く、数回で「効果なし」と判断してしまった
  • ワックだけで完結しようとして、生活改善や点眼と併用していない

つまり、「合う人には合う」が正直なところです。


ワックの誤解はどこから?

  • 「2〜3回通ったけど変わらなかった」→ 時間が足りないかも
  • 「眼鏡になったから意味がなかった」→ 進行スピードを緩やかにできていた可能性あり
  • 「アトロピンやオルソの方が最新」→ 根本的な解決法ではないですよ

誤解の背景には、
“途中まで正しくても、続けきれなかった”というケースが多い印象です。

そもそも、ワックの効果が見込めるのは、仮性近視の段階のケースが中心です。
生活習慣の改善にしっかり取り組みつつ、定期的に屈折度数のチェックを行い、
そのときの目の状態に応じた対策を組み合わせていくことが大切です。

「うちの子に何が合っているのか分からない…」という場合は、
視力向上可能性判定


まずはここから:基本の対策ステップ

  • 読書や画面との距離は30cmを目安にハーモン距離を意識
  • こまめに目の休憩を取る習慣を身につける(ハーフタイム
  • 屋外遊びは1日1時間以上が理想

これらを意識するだけでも、目の調節機能はずいぶんラクになります。

また、眼科では「完全散瞳検査(点眼薬でピント調節を止めて測る)」をして、真性近視か仮性近視かをしっかり見極めてもらいましょう。

ハーモン距離


通院が難しいなら、自宅でできる方法も

とはいえ、
「平日は塾で忙しい」
「近くにワック導入の眼科がない」
というご家庭もあると思います。

そんな時におすすめしたいのが、
眼科ワックの進化版!自宅でできるトレーニング機器『ホームワック』です。

眼科用のワックには、実は以下のような課題があります。

  • 写真を5分間見続けるだけの構造で飽きやすく、集中が続きにくい
  • ピントが合いづらい状態を作る雲霧法は、強度近視の人には合わない場合がある
  • 本来は毎日行うのが理想だが、通院が必要で頻度が限られる

これらの課題を解決するために開発されたのが、ホームワックです。

ホームワックのメリット:

  • テレビやYouTubeを視聴しながら訓練ができるので、飽きずに楽しく続けられる
  • 近視度数に応じたレンズ補正で、強度近視の人でもピントを合わせてから雲霧法に移行できるため、ストレスなく集中可能
  • 雲霧法+遠近訓練+開散訓練の3つを同時に実現する内部レンズ駆動機構で、より高度な視力トレーニングが可能
  • 自宅で毎日使えるから、トレーニングの継続性が高く、効果につながりやすい

つまり、ホームワックは「眼科ワックの進化版」
視力の状態や家庭のスケジュールに合わせて、無理なくトレーニングを続けられる新しい選択肢です。


次のステップに進む判断基準

眼科のワックや生活改善を試しても視力が下がり続ける、または眼軸長の伸びが確認された場合は、次のステップとして「低濃度アトロピン点眼」や「オルソケラトロジー」が選択肢になります。

いずれも、
– 進行抑制率が30〜60%と高い
– 子どもの負担が比較的少ない
というメリットがありますが、費用や習慣化のしやすさなども含めて比較検討が必要です。

なお、これらの治療とホームワックを併用することも可能です。

たとえば、
– アトロピン点眼で眼軸の伸びを抑えつつ、ホームワックで調節機能をサポート
– オルソケラトロジーを行っている子も、日中にホームワックで遠近訓練を追加
といった形で、相互補完的に使うことでトータルな近視対策につながります。


まとめ:正しく知れば、正しく選べる

眼科のワックで効果があるかどうかは、”その人の目の状態と通院できるか次第”です。

「とりあえず点眼」や「すぐオルソ」も否定はしませんが、
まだ仮性近視の段階であれば、まずは眼科のワックや生活習慣の見直し、自宅でのトレーニングなど、負担の少ない“第一ステップ”から始めてみませんか?
対処療法に頼る前に、根本からの改善を目指すことが、お子さんの目にとって最もやさしい選択かもしれません。

あなたのお子さんにぴったりの方法が見つかることを、心から願っています。

視力回復辞典(視力回復の真実)

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