第44回眼 視力低下は”目の心身症”???
- 視力回復辞典(視力回復の真実)
- 2006.11.29
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はじめに
新聞のデータベースで、ある特集記事を見つけました。
そのタイトルがちょっと目を引くものだったので、かなり印象に残りました。
その名も、【溶けゆく日本人】(産経新聞より)
思わず「えっ?」と目をとめてしまうこのタイトル、記事の内容は、現代日本人に起こっている身近な問題を取り上げたものでした。
サブタイトルには『快適の代償』とあり、快適さの裏にある諸問題に焦点を当てています。
その最終回『眠れぬ子供たち 夜型生活の”犠牲者”』という記事の一部分を、ここにちょっと紹介します。
「不眠の波は子供たちにまで押し寄せてきている」という出だしで、中学受験を控えたある6年生の女の子が、「朝、眠くてなかなか布団から出られない」状況に陥っている事情を説明する内容なのですが――
「1日のスケジュールはこうだ。
放課後、学校の門を出ると母親が車で迎えにきており、そのまま塾へ。
午後9時すぎまで授業 ⇒ 帰宅の途につくのは10時すぎ。
夕食は母親が用意した『塾弁』(塾で食べる弁当)で済ませている。
午前0時前に寝られることはほとんどない。
友達との会話についていくため、ビデオにとったテレビドラマを早送りしながら見て、床に就くのが2時近くになったこともある。
『朝もつらいけれど、一番しんどいのは、(眠気が襲う)5時間目と6時間目の授業中。
1、2時間目が体育や音楽の日は、家でゆっくり寝て3時間目から学校に行くときもある。
学校に遅刻してもお母さんは怒らない。
受験まであと2ヶ月だし…』」(一部省略)
この続きとして「そんな子供たちが勉強時間と引き換えに犠牲にしているのが、遊びや読書、一家団欒の時間、そして睡眠だ」とあり、“寝る間を惜しんで”やらなければならないことがいっぱい、という生活を送るうち、睡眠障害に陥る子供が増えていると記事は指摘しています。
小学生のうちからこういう生活を送る子供が、全体的に「増えている」のかどうかはわかりません。
が、大人同様、子どもにも少なからず“夜型生活”の影響が出ていることは、否めないでしょう。
また、記事では触れられていませんが、こういった生活スタイルが多大なストレスをもたらすことも確かです。
記事を読んで感じるのは、単に“忙しい”ということ以外にも、子どもにとってのストレスの要素が垣間見えるということです。
「友達との会話についていくため、ビデオにとったテレビドラマを早送りしながら見て…」というくだりなどは、現代っ子の事情をよく表しているのではないでしょうか。
これだけ多忙でも、人づきあいもおろそかにはできない…
と言った子どもの事情を考えると、まさに大人のストレス社会の縮図を見るような気になります。
このようなストレスから、さまざまな問題が子どもの身に起こっている――
と言えるわけですが、実は、近視にもその側面が大いに関係しています。
以前、『ストレスが目に与える多大な影響』について少しお話ししましたが、今回はその部分をさらに掘り下げ、目とストレスの密接な関係について考えてみたいと思います。