第42回眼 夏は目の用心!プールと目の関係
- 視力回復辞典(視力回復の真実)
- 2006.10.29
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逆効果のワケ
水道水と涙液は浸透圧が異なるため、角膜に障害を起こしやすい、という説を発表している眼科医もいます。
カップ状の容器を使って目を洗う洗眼液も市販されていますが、これが目にとっては逆効果である、という研究結果もあります。
洗眼液に含まれる防腐剤や界面活性剤が、涙液層を保持する”ムチン層”を洗い流してしまうため、ドライアイを進行させてしまう危険性がある――
というのがその理由です。
つまり、目を洗うという行為は、「眼の表面を薄皮のように覆って守るはたらきをしている“涙”を洗い流してしまう。
そのため、かえって目を傷つけたり、乾燥させてしまったりするトラブルにつながりやすい。」ということなのですね。
とはいえ、プールの後に目が充血したり、ゴロゴロする感じがあったり、実際、塩素によって目の表面に傷がつくと、そんな症状が表れることがあります――
といった場合、目を洗ってスッキリしたい…と思うときもあると思います。
そんなときは、小分けになっている使い切りタイプの目薬を使うのがおすすめです。
これは”人工涙液”と呼ばれるもので、涙に近い成分でできています。
「目薬」とはいうものの“薬”というよりも、目を潤し、乾燥を防ぐ目的で使われます。
防腐剤も入っていないので(使い切りでないタイプの目薬には防腐剤が含まれています)、その点でも安心です。
が…
やはり、人工のものに頼らずに済ませられるなら、それがいちばんです。
そのためにできることとは…?
次に、ご紹介していきましょう。
プールで目を守ってくれるのは…
“プール後洗眼”は逆効果である、ということが明白になってきたわけですが――
それならば、洗う必要がないようにあらかじめ策を施しておく、という手が考えられます。
では、プールに入るときに目を守るには、どうすればよいのでしょうか。
専門家の間でまず言われる対策は、新聞記事にもあったように、ゴーグルを使用するということです。
目を水に触れさせないようにすることが、いちばんの防御策なのですね。
スイミングスクールや一部の学校でも、ゴーグル着用を義務づけるケースが増えてきていると言います。
夏休みになどにプールに遊びに行くときは、ゴーグルを持参しましょう。
ただし、ゴーグル使用に関しては注意事項があります。
まずは、きちんとサイズの合ったゴーグルを使用することです。
あるゴーグル製造メーカーの調査によると、成人と小学校高学年の子どもを比較すると、左右の目の間の距離(瞳孔間距離)は約4ミリ、頭囲は27ミリの差があるのだそうです。
また、3歳と9歳の子どもでも、瞳孔間距離4.5ミリ・頭囲3.5ミリの差があるといいます。
サイズの合わないものは水漏れの原因になるので、要注意です。
さらに、サイズが小さいものを使って、目の周囲を締めつけてしまうのも良くありません。
眼球を圧迫することが目のトラブルにつながることもあるのです。