第84回眼 猫背と近視に関係はあるのか?
- 視力回復辞典(視力回復の真実)
- 2012.01.10
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姿勢を良くする極意とは?
【ママ】
「でも困ったなあ、ずっと背筋を伸ばしているのって疲れるし、猫背ってそう簡単に直せるもんじゃぁないですよ。」
【博士】
「背筋に力を入れて、無理に姿勢を良くしようとするのは、間違った考えですよ。」
【ママ】
「じゃあ、背中に定規を入れたりするのも、ダメかしら?」
【博士】
「外側からの力で形を整えようとする考え自体が、間違えています。
むしろ、背筋や背骨周りの力を抜きましょう。
そして、頭の上から糸で吊られた気になってみましょう。
操り人形のイメージです。」
【ママ】
「天井から糸で吊られて動く、あの操り人形ですか?」
【博士】
「そう。ぶら~んぶら~んと力を抜いて。
頭上から吊られる感じで、無理せずに重力に沿うことで、自然に姿勢が整うのが理想です。
つまり、重力と、どうバランスをとるかですね。
体の外側の力を抜いて内側に意識を向けてみましょう。」
【ママ】
「なるほど。
ところで博士、座るときの姿勢の意識も、操り人形ですか?」
【博士】
「それでは、座るときの姿勢を良くする極意を教えましょう。
それは、『座骨で立つ』という意識で座るということです。」
【ママ】
「座るのに立つ???
ますます混乱してきました!ところで“ざこつ”ってなんですか?」
【博士】
「座骨は、骨の名前です。
その前に、仙骨を抑えておきましょう。
背骨の一番下にある、小さい尻尾のような部分が、仙骨です。
仙骨が後ろに傾くと、背骨がバランスを取るために、前に曲がってきます。」
【ママ】
「つまり猫背ってことね?」
【博士】
「そうです。
姿勢を正しくするには、背骨を無理やりまっすぐにするよりも、背骨の基点である、仙骨をまっすぐにするほうが効果的です。」
【ママ】
「たしかに、最初の基点が曲がっていたら、その上の背骨も、おかしなポジションになりそうよね。
ところで博士、“座骨”とやらは、いつ出てくるんですか?」
【博士】
「イスの座面に手を入れたとき、おしりと太ももの境目のあたりに、左右にそれぞれ一点ずつ、手に骨が当たる場所があると思います。それが座骨です。」
【ママ】
「やだー、おしりのお肉が厚くって、ちょっとわかりませんがー。」
【博士】
「それでは、大体で良いので、指でその辺りを強く押してみてください。
手に骨が当たりませんか?」
【ママ】
「あ、わかりました!
やじろべえみたいに、イスの上でおしりを左右にもぞもぞ動かしてみたら、2つの座骨が座面に当たっているのがわかりましたっ。」
【博士】
「ははは。
おしりでやじろべえ、愉快な見つけ方ですな。
これからは、座るときには、この2本の骨を意識してイスの座面を捉え、2点で立つつもりでバランスをとると、自然と腰が入り、仙骨がまっすぐに立ち上がり、その上の背骨もまっすぐに伸びるんですよ。」
正面から見ると、こんな感じです。
横から見ると、こんな感じです。
【ママ】
「ああそうか、お尻の小さな2本の骨で立つ意識で座ると、背筋が伸びるんですね。
良い姿勢のポイントは、背中じゃなくて、おしりだったのかー。」
【博士】
「その通り。
ママも自分のおしりで体感できたようだね。
座骨は、ソファーなど、座面の柔らかいイスでは意識しづらくなるので、座面が固めのイスで練習するのがオススメです。
学習机のイスも、比較的座面が固めのものを選ぶと、良いでしょう。」
もう一度イスに座りなおし、座骨でバランスを取る事を意識するママ。
すると、あらあら、スムーズに背筋が伸びてきました。
【ママ】
「すごい!簡単に背筋が伸びたわ。
しかもつらくなくて、自然ね。」
【博士】
「ぜひ、ケンタくんにも教えてあげてください。」
【ママ】
「ところで博士、それにしてもこのイスって固すぎない?
研究にばっかりお金をつぎ込んで、設備投資するお金がないんじゃないですか?」
【博士】
「(ドキ!)ムッホン、失礼な…姿勢のために、あえてこうしてるんですから…」